春日鹿曼荼羅 (東九条春日元講) 天正6年(1578)

春日講が行われるとき、祭壇にかけられたのは春日信仰を具体的にあらわした春日曼荼羅です。主に春日野と社殿、春日山を描いた春日宮曼荼羅と、春日の神様が鹿に乗ってきたという由来にもとづき、背中に鞍をつけ、その上に榊を立てた鹿を春日野の風景の中に描いた春日鹿曼荼羅です。

東九条町に伝わり、町の人々が大切に祭ってきた春日曼荼羅 江戸時代の春日講の年初めの会は、正月21日に開かれました。この日には、春日の神様をお祭りするだけでなく、新しく町の住人となった人が町民に紹介される重要な場でもあり、また、子供の誕生や結婚、家の代替わり、還暦、春日講の世話役である年預(ねんよ)になった祝いなど、いろいろな祝儀(お祝い事)を町民に披露し、そのお祝い事を町民みんなで共有する日でもありました。

八幡神社東九条町の氏子役員の方が、先祖代々の春日曼荼羅を受け継がれ、その貴重な春日曼荼羅は奈良国立博物館に保管されています。

今回はその春日講がある為年に一回拝見できるとの事で氏子役員の方と博物館に行ってきました。

厳重に保管された倉庫の中から3人ががりで物々しく掛け軸を持ってこられました。

442年前とは思えないほど綺麗な色彩。息をのんでその美しさに見とれました。

本来なら廃仏棄釈で燃やされてもおかしくない掛け軸、神仏習合の名残でみかがみに御本尊が描かれています。

一宮=釈迦如来・二宮=薬師如来・三宮=地蔵菩薩・四宮=十一面観音・若宮=文殊菩薩
が描かれています。
春日大社の四柱と若宮様この八幡神社の氏子地区も春日大社のお膝元連綿と受け継がれていたんだと氏神様達が八幡神社を大切にする神様を尊いものだと大事にされてきた賜物だと思いました。

氏子の皆様方心から感謝致します。